どうも!マスゴミテレビ局員Tです!
今日は「ADの仕事内容&適性についてテレビディレクターが考察してみた」です。
先日、ディレクターの適性について解説しました。
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「ディレクターの適正」を現役テレビディレクターが考察してみた
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実際にAD時代を経て、ディレクターになったTが、ディレクターになるために避けては通れない「ADの仕事内容と適性」についてお教えします。
できるだけ“実体験をふまえて”リアルな実態をお伝えしますね!
果たして、どんな人がADに向いているのでしょうか?
目次
そもそも「AD」とは?
ADは「アシスタント・ディレクター」の略で、その名の通り“ディレクターの補佐をする何でも屋”です。
Tはだいたい1年半ほどでディレクターになりましたが、中には10年以上ADをしているベテランも存在します。
局や制作プロダクション、番組によって考え方も違いますし、単に実力だけで評価される訳でもありません。
実際、10年以上ADを続けるベテランADでも、ディレクターと変わらない実力・業務内容をこなしている方もおられます。
ADの主な仕事内容
ADの仕事内容は多岐に渡ります。
そのため、一部を抜粋してご紹介します。
- リサーチ業務・裏取り
- 番組で使う素材探し&許可取り
- ロケの仕込み・アポ取り
- ロケ・収録・編集の補佐・準備
主な仕事はこんな感じです。
「あれ?これだけ?」と感じる方もおられるかもしません。
確かに1つ1つの業務はそんなに大変そうじゃないですよね。
しかし、複数の番組を掛け持ちすると、この単純作業が終わらない無限地獄と化します。
ADはとにかくしんどい!
何が嫌って、とにかくつまらないんですよ。
ディレクターに要求された写真や動画を大量に集めて、許可を取っても、編集するのはディレクターです。
どんなに頑張って取材アポをとっても、実際にロケをしてVTRにするのはディレクターです。
ディレクターが収録で使う「カンペ」を、朝まで書かされたこともあります。
(そのディレクターは朝まで寝てました。そして字が汚いのでやり直しさせられました)
ADの仕事って、基本「お膳立て」なんですよね。
「ディレクター様!ここまでやっておきました、あとはお願いします!」
みたいな感じです。
寿司屋で修業する職人が、最初は掃除しかやらせてもらえない的な。
こんな仕事が楽しい訳がないんですよ。
とにかくつまらない、面白くない単純作業が続き、何度もやめたくなりました。
今振り返れば、この修業期間に身に着けた知識やノウハウ、人間関係が、ディレクターになった自分を支えてくれているのですが、当時は知る由もありません。
とにかく「早くディレクターになること」だけを目指して、上司・先輩から信頼されるように頑張っていました。
ポジティブADは最強!でも注意が必要…
たまに、ADの仕事を「めちゃくちゃ楽しそうにやっている人」がいます。
Tの同期にもいました。
「私の探してきた写真がテレビに使われてる~ウフフ」
当時やさぐれていたTは、そんなことを平気で言ってくる同期をまったく理解できませんでした。
なぜその程度のことで満足できるのか?
お前はただ使われているだけだぞ?
前にも記事にしましたが、TはAD時代「やりがい&喜び」をまったく感じることができないタイプの人間でした。
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しかし、今振り返れば「何事にも喜びを感じられるタイプ」は最強だなと思います。
あんなに苦しいAD作業でさえ楽しめたら、世の中で楽しめない環境は無いです。
ただ、このタイプはAD作業に満足してしまって、ディレクターに自分からなろうとしなくなる人も多いので注意が必要です。
AD作業に慣れ、後輩ADも入ってくれば業務も分担・軽減できますし、ディレクターになるよりはるかに責任を負わなくていいですから。
残念ながら、そこに安住してしまうタイプの人間もいるのです。
お待たせしました「ADの適性」(向き・不向き)
ここまでADの仕事内容を見てきました。
仕事内容を踏まえて、Tの考える「ADの適性」をお教えします。
- ディレクターになる強い意志を持っている人
- 細部まで気が配れる人
ADの適性は、この2つです。
適性①:ディレクターになる強い意志を持っている人
これが最も重要です。
ADの最低条件と言ってもいいんではないでしょうか。
とにかくディレクターになる強い意志さえ持っていれば、「ADと言う名の修業期間」を乗り切れると思います。
ADを修業期間ととらえた時に、「我慢強い人」や、逆に「何事も楽しめる人」が向いているとよく言われます。
Tはどちらも正解で、どちらも間違っていると思うのです。
まず「我慢強い人」。
お伝えした通り、AD作業はしんどいです。
我慢強い人が有利な気がするのですが、我慢し過ぎちゃうのもよくないんですよね。
TはAD時代はできるだけ短く、はやくディレクターになった方がいいと考えるタイプです。
「我慢強い人」は悪く言えば「その環境から抜け出せない人」になりかねません。
修業期間だからと我慢するだけでなく、「いかにはやくこの状態から抜け出せるのか?」と考える。
現状に疑問を持ち、計算高く、ずる賢さも必要になります。
ただ、我慢しているだけでは、ディレクターになるチャンスは巡ってきません。
「何事も楽しめる人」も同じく「その環境から抜け出せない人」になりかねないことは、すでに説明した通りです。
AD業務には我慢・忍耐が必要なのですが、それに甘んじることなくディレクターを目指す強い意志を持つことが、ADに最も必要な要素です。
適性②:細部まで気が配れる人
「細部まで気が配れるAD」がいると、ディレクターとして非常に助かります。
細部まで気が配れる人を具体例を挙げてもう少し詳しく説明すると、次の3つができる人ですね!
- ミスがない
- ディレクター目線で考えられる&仕事が丁寧
- タレントや技術・美術など制作以外の人間にも気配りがきく
ミスがない
まず、細部まで気が配れる人は「ミスがない」。
当たり前ですが、「許可をとったつもりが許可とれていなかった」「情報が間違っていた」これは放送事故に直結します。
さらに、ADには同時進行で大量の仕事がのしかかります。
そのため、1つミスをしてしまうと、雪崩のようにミスを連発する事態になることが多いんですよね。
もちろん最終的にはADではなく、ディレクターやプロデューサーの責任なのですが、「ミスが少ないだけ」で優秀認定を受けられます。
ディレクター目線で考えられる&仕事が丁寧
細部まで気が配れる人は「ディレクター目線で考えられる」とも置き換えられます。
「自分がディレクターだったらこうして欲しいだろうな」
こういう思考回路なので、細部までディレクター目線で仕事をとらえてくれ、頼んだ仕事が想定以上のレベルで仕上がってきます。
さらに頼んでもいないことまで先んじて仕事を終わらせてくれていることがあります。
例えば…
- 頼んだデータ以外にも「このデータも欲しいかなと思って」と提案してくれる
- 資料のデータ入力をお願いしたら、レイアウトもいい感じに変えてくれている
- 編集の時、ロケ素材が分かりやすくまとめられている
- 頼んでいないのに、収録台本を読んで小道具を自分なりに考えて準備してくれる
- 後輩ADの作業を点検し、ミスがないかチェック&修正してくれる
信頼できるADがいると、ディレクターが単純作業から解放され「画や内容だけに集中できる」ので、そんなADは重宝されます。
また、「適当な仕事をするとディレクターが困る」ことが理解できる人なので、各仕事も非常に丁寧にやってくれます。
こういう人は自然に周囲が「あの子もうディレクターできるんじゃない?」と評価しちゃいますね。
タレントや技術・美術など制作以外の人間にも気配りがききます
細部まで気が配れる人は「タレントや技術・美術など制作以外の人間にも気配りがききます」。
夜遅くまで収録準備をしている技術さんに夜食を用意しよう。
編集マンが作業がはかどるように、美味しい茶菓子を差し入れしよう。
このタレントはこの飲み物が好きだから、ロケの時にすぐ出せるようにしよう。
メイクが崩れてしまうから、ストローも忘れずに・・・
これらは人に言われて、できるようになるものではありません。
何年経験してもできないヤツはできません。
こういうADは周囲から信頼されるのもはやいですし、ディレクターとしても助かります。
細部まで気配りができるADがいると、制作以外のスタッフも盛り上がって、番組全体のモチベーションが上がるんですよね。
ある意味、普通のことなのですが、忙しくてできないADがほとんどの印象です。
まとめ
- ADはディレクターの補佐。仕事内容は多岐に渡る。
- 適性①:「ディレクターになる強い意志を持っている人」
- 適性②:「細部まで気が配れる人」
現場では「ディレクターになる強い意志を持っていて、ディレクター目線で細部まで気が配れる人」が求められます。
TはこんなADがいれば、できるだけチャンスを上げて早くディレクターになれるようサポートするようにしています。
はやくディレクターになってもらって、一緒に番組作りをしていきたいですからね。
(優秀なADがいなくなると、それはそれで辛い部分もあるんですけどね。それはTのワガママになっちゃうので我慢です)
テレビ局への転職・就職・転職を考えている方は、ぜひ参考になさってください。
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