番組

「天空のヒマラヤ部族」感想レポ【観た気になれるTV批評】

どうも!マスゴミテレビ局員Tです!
今回は「天空のヒマラヤ部族」感想レポ【観た気になれるTV批評】をお届けします!

2020年3月8日にテレビ朝日開局60周年企画として放送された「氷と雪に閉ざされた秘境の地 天空のヒマラヤ部族 決死の密着取材150日間」。
結論から言いますと、観たことのない圧倒的な景色&文化の連続。
150日間に及ぶ密着取材が「2時間半」に凝縮されていまして、まるで映画を観ているようでした。
というか映画館の大画面、大音量で観たかった!

でも1つだけ不満がありました。残念。

ただただ「面白かった」では芸がないので、現役テレビマンとしての見解や意見も混ぜながらお話ししますね。




■タレントなんていらない。届けたいのは圧倒的なリアル

まず出演者がガチすぎます。

まず1人目はテレビ朝日の友寄隆英さん(通称ナスD)。
「陸海空 地球征服するなんて」で芸人顔負けの破天荒さでブレイク。
そのサバイバル技術と勇敢?大胆?な行動で番組では数々の奇跡を起こしてきた方です。
実際「地球征服するなんて」は近年のテレビ史に、確実に刻まれる作品だと思います。
友寄さんに憧れてテレビマンを目指した人、逆に自分には無理だと諦めた人の両方を生んでそう。

そして2人目は元テレビ朝日の大谷映芳さん
1981年にテレビ朝日社員にも関わらず世界最難関の山「K2」の西稜ルート世界初登頂を果たしたレジェンド。
現在は登山家をされているそうです。

この2人を中心に命がけで行われた150日間の密着取材。
こんなの、

おもしろくない訳ないじゃない!

こんなにテレビ番組を楽しみにしたのは久しぶりです。
あなたの番です」の最終回以来かな。

ちなみに「地球征服するなんて」ではスタジオパートがありましたが、今回はありません。
ロケ出演者はこの2人と、同行しているカメラマン等のスタッフ、現地の人だけ。
これがまた良かったです。
今のテレビは何でもかんでもワイプを入れ、合間にスタジオでトークするのが当たり前になっています。

でも圧倒的な画力と内容があれば、そんなの本当はいらないんですよね。
自分の仕事を振り返って、反省してしまいました。

■初っ端からガツンと来る大自然。天才的な編集。

こうして、夜8:53からOAスタート。

目指すのはヒマラヤ最奥の聖地ドルポですが、まずは飛行機でネパールの「ドゥネイ村」に入ります。
取材スタッフ6名、現地スタッフ14名、家畜・カッツァル・ヤク等23頭、機材・食糧の総重量約1トンの大撮影部隊。
目的の集落まで2週間、このメンバーで険しい峠を歩いて越えていきます。

もう序盤から見ごたえありまくりの景色
取材時期は秋で、とにかく山々が美しい。
そこに芽吹くカラフルな植物にも驚かされます。

先ほど述べた「カッツァル」はロバと馬を掛け合わせた動物で、60~70kgの荷物を運搬できるそう。
運搬動物たちが一列になって、ロケ隊についていく姿だけでも観ていられます。

そしてTが注目したのは「容赦なく入る編集点」!

「地球征服するなんて」の時から感じていましたが、編集が天才的なんですよね。
かなりガッツガツ編集してきますし、普通ならナレーションを入れる所もコメントでつないでしまう。
それなのに違和感なく、テンポよく、楽しんで観られます。
こうして飽きさせないだけでなく、ちゃんと没入感もあるから不思議です。
もし機会があれば、何を考えて編集しているのかテレビマンとして聞いてみたいです。

あと左上サイドスーパーの下にずっと「現在標高」と「酸素濃度」が出てるんです。
これ地味に面白い。
こういうちょっとしたアイデア・遊び心は、テレビマンの腕の見せ所だったりします。
番組が進むほど激しくなる過酷さも、これによって数字化されるので非常に意味を持っていました。

ちなみに最初の村の時点で標高2000m越えで酸素濃度76%。
この時点でまあ過酷な環境。

そして忘れられないのが、取材班が途中で立ち寄った神秘の湖「ポクスンド湖」。
これがまた嘘みたいな青
絵の具をこぼしたみたいな青なんです。
世界一美しいと呼ばれるこの湖の映像だけでも、一見の価値がありますね。

また、現地の映像も素晴らしいんですが、スタッフのリアルな姿を映しているのもいいんです。
「ちょっとは休めよ」「休憩しねえのかよ」と不満を漏らすスタッフ。
標高5000mを超えてくると、呼吸困難に陥るスタッフも出てきます。
取材といえど無理はできません。
なぜなら、本当に死んでしまう環境だから。

Tはそれなりにテレビ業界で長くやってきました。
しかしロケでも取材でも、ここまで過酷な環境に身を置いた事はありません。
改めてテレビの懐の深さというか、広さを感じましたね。
同じテレビマンでも、人によって経験も考え方もスキルも様々。

ただ願わくばTも、こんな歴史に残る取材を担当してみたいです。

■ようやく天空の民の領域へ。しかし、衝撃の事実が・・・

そして歩き始めて13日。
ようやく旅の目的地である天空の民の領域「ティンギュー集落」に到着。
ドルポの最奥、アジアで最も原始的な生活を続ける山岳民族が住んでいます。
標高は4150m、酸素濃度は60%しかありません。

やっとの思いでたどり着いた取材班。
しかし、ここで衝撃の事実が発覚します。
なんと、

撮影スタッフは今回、ここに荷物を置きに来ただけ。

なんだって!?
ここまでも十分険しい山道を超え、超見ごたえのある旅をしていたのに?
荷物を置くだけだったとは。

実は、取材班の最終目標は「ドルポの厳冬期・越冬」を取材する事
高い標高に位置するドルポの冬は厳しく、外国人の入国を阻み続けてきました。
そんな過酷な厳冬期・越冬にテレビカメラが入るのは世界初の偉業なんだそう。

あっさりナレーション処理で終わっていますが、同じ過酷な道を同じように2週間かけて戻ったんでしょう。
想像しただけで吐きそうになります。
こうして再び、最初の村ドゥネイからの旅がスタート。
以前の美しい山々が嘘だったかのように、今度は荒々しい雪氷が取材陣に襲い掛かります。

あっ、先ほどの左上スーパーに「気温」も加わりました。
まだ旅の序盤なのに、すでに「マイナス22度」。
吹き荒れる吹雪に視界も遮られ、ヤギやヤクも雪でどんどん死んでいくほど。
地元のポーターでさえ大混乱に陥ってる中、明るさを失わない友寄さんには尊敬しかありません。

■厳冬期の最奥地に到着

こうして再び最奥の集落「ティンギュー」に到着。
ここでは色とりどりの民族衣装と仮面を着けて踊る、何百年も続くという奇祭を世界で初めて撮影。
さらには年越し・正月・越冬の長期間、集落に住む人々の日常に溶け込んだ取材をしていきます。

いちいちすべてを書けないので、1つだけ。

ドルポの人々の「笑顔」が非常に印象的でした
大人から子供までが、何気ない事で大笑いしているんですよね。
その笑顔は嘘のない、本当の笑顔なんです。

雪や氷に閉ざされ、日本では考えられない厳しい環境で暮らす天空の民。
しかし神に感謝し、自然を愛し、協力し合って生きる。
その姿に「人間の本当の幸せとは何なのか?」考えさせられました。

■最高の番組!でも・・・

2時間半、スマホも触らずに1つの番組に没入したのはいつぶりでしょうか。
本当に最高の番組、素敵な時間を有難うございます。

ただ、1つだけ言わせて下さい。

さすがに長すぎる!なんで「2時間半」の1本勝負なの!?

特に最奥集落の越冬以降は正直だれました。
ずっと展開のない白銀の世界。
それが「リアル」あるがままの姿である事は十分認識しているのですが。

さらに120年前にこの地を訪れた日本人「河口慧海」の足跡を辿る取材班。
ここは本当に要らなかったと思います。
もう十分すぎるほど、お腹一杯でした。

開局60周年企画にふさわしい今回の企画。
しかしこの「2時間半」という時間は、取材の魅力を伝えるにはあまりに短く、視聴者には長すぎました。
両者にとって、もったいない時間設定だったように思います。

どんなに美味しいフレンチでも、1度にいっぱい食べられないですよね。
「これくらいだから美味しい」という量があります。
テレビ番組にもあると思うんです。
視聴者に心地よい、適尺ってものが。

せめて「秋編」と「厳冬期・越冬編」で2時間ずつの特番にするのが、丁度いい尺だったのでは?
制作サイドは、それによって救われる(放送できる)シーンも多くあるでしょう。
視聴者もここまでダレる事なく、集中して観終われます。

■まとめ

いかがでしたか?
少し「長すぎる」と感じましたが、圧倒的な取材力と画力はさすがのひと言。
テレビ局だからできるお金・人材・ノウハウすべてを投入した見事な作品でした。
是非ながら見ではなく、お酒片手にゆっくりと視聴する事をおすすめします。

Tも冒険企画を提出してみようかしら。

以上、名もなきテレビマンの独り言でした。
ではでは

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