どうも!マスゴミテレビ局員Tです!
今日は「ENGEIグランドスラム視聴率&感想レポ【観た気になれるTV批評】」をお届けします。
2020年3月28日にフジテレビで放送された「ENGEIグランドスラム」。
今回はR-1ぐらんぷりに続き、「無観客」での実施。
その代わり、出演する芸人が客席に座るという演出がされていました。
これが個人的には大当たりだったと思います、見事!
芸人は漫才しにくいかもしれませんが、「客が芸人」という独特の空気が番組のエッセンスになっていました。
さらに、その芸人たちが「もう一度みたい最強漫才」をリクエストし、それをみんなで観る構成もさすがだなと思いました。
昔の漫才を観るだけなんですけど、「芸人がもう一度みたい」というリクエスト形式にしたこと、さらに観終わった後に芸人ならではのトークが秀逸なことで、再放送感覚ではなく、新鮮な感情で楽しむことができました。
今回は「構成の勝利」だと思います。
面白さを残したまま、省エネも実現していて、見習いたい構成でした。
他にも「短めのオープニングVTR」、「トップバッターに爆笑問題を起用」も素晴らしかったです。
また、MCのナインティナインさん、松岡茉優さんの並びも安心します。
やっぱり松岡茉優さんは進行も上手ですし、何よりかわいい。
最初にキャスティングした方は本当に優秀だと思います。
懐かしいネタもたくさん楽しめるので、もし観ていない方がいれば是非観てください!
目次
■爆笑問題
まさかのトップバッターですが、見事な出来でした。
Tが言うのもおこがましいのですが・・・
初っ端から客席の芸人に飛び込んで、客席が「無観客」かつ「芸人が座っている」ことを視聴者に分からせる太田さん。
その後、時事問題でコロナをいじるネタ運び。
これにより、番組の趣旨「コロナで暗くなる日本に元気を与える」がしっかりと視聴者に伝わったと思います。
スタッフからすれば、これだけきちんと番組の特色や趣旨を織り交ぜながら、漫才という笑いに落とし込んでもらえたら有難みしかないですよ。
さすがベテラン。
観ながら思わずうなってしまいました。
この漫才があるからオープニングやアバンが短くても問題なかったんですね。
爆笑問題さんをトップバッターでオファーしたスタッフのセンスに脱帽です。
そして、見事に応えた爆笑問題さんにもテレビの前で拍手を送りました。
■サンドウィッチマン(VTR)
そしてここからは「芸人が観たい最強漫才」。
1組目は霜降り明星のリクエストでサンドウィッチマンのネタです。
ネタは「結婚式のスピーチ」。
ここで感じたのは「お客さんの存在の大きさ」。
過去VTRなので、ちゃんとお客さんがいるんですよね。
お客さんの大きさの存在をこんなに感じたことはないです。
もちろんネタの面白さや話芸の技術など「漫才の面白さ」が最も重要です。
そしてサンドさんのそれは群を抜いています。
でもやっぱりお客さんの笑いが入ると、漫才のリズムも出て面白くなることがよく分かります。
漫才はお客さんも大事な要素で、芸人とお客さんが作り上げていく演芸なんだと改めて気づかされました。
■ブラックマヨネーズ(VTR)
ナイツさんのリクエストでブラマヨさんが唯一出演した2015年のネタ。
ナイツさんはすごくブラマヨが好きらしいです。
ネタは「格闘技を習いたい」。
格闘技を習いたいという吉田さんに小杉が色々な格闘技をオススメしますが、吉田さんが変な理由で断っていくというネタ。
久しぶりにブラマヨさんのネタを観ましたけど、やっぱり爆発力がすごいです。
後半に向けてどんどんヒートアップする感じがたまらないですよね。
そして吉田さんの1つ1つのボケの完成度がえぐい。
これほどの才能を、なぜかテレビで活かしきれていない気がするのは私だけでしょうか?
もっとネタも観たいし、テレビでの活躍も観たいと改めて感じました。
ブラマヨさんで企画を書きたいと思います。
■オリエンタルラジオ(VTR)
続いて、EXITのリクエストはオリエンタルラジオさん。
EXIT曰く、「ちゃんとネタをやる舞台という印象が強かったENGEIグランドスラムで『歌を歌ってしまう破天荒さ』がすごかった」だそう。
そんなの“あのネタ”しかないじゃん・・・
ネタは彼らが売れたきっかけになった「武勇伝」から始まり、突然「PERFECT HUMAN」へと移行。
「PERFECT HUMAN」を世に送り出した瞬間ですよね。
改めて見て、あの舞台であのネタを初めて披露する強心臓ぶりに鳥肌が立ちました。
そして久しぶりに見てめちゃくちゃ笑いました。
あの時は気づかなかったんですけど、構成がまず見事ですよね。
一度 武勇伝ネタをほうりこみ、視聴者に「今日は武勇伝か」と思わせておいて、突然「新作」を披露する。
つまり、武勇伝をフリに使った訳ですよね。
この構成が天才的。
武勇伝で彗星のようにスターへのし上がったオリラジにしかできない構成です。
しかもその武勇伝をフリに使って、武勇伝以上に「PERFECT HUMAN」で再ブレイクするんですから芸人としてカッコよすぎます。
さらに初めてお披露目した割に、その完成度、あっちゃんのキレ、すべてがヤバイ。
そうとう練って、勝算があって、わざとやらかしたんでしょうね。
脱帽です。
■渡辺直美(VTR)
次は松岡茉優のリクエストで渡辺直美さん。
ピアノを弾きながら、レディー・ガガの音ハメをするネタ。
「PERFECT HUMAN」に続き、渡辺直美さんにしかできないオリジナルの世界観に圧倒されるネタです。
直美さんの豊かな表情と迫力のダンス。
Tは個人的にザコシショウの「誇張モノマネ」に通ずるところがあると前々から思っています。
みなさんどう思いますか?
本当に「渡辺直美」という人は、芸人でもタレントでもなく、「スター」という言葉が似合うなと改めて感じました。
ブルゾンさんが直美さんを追いかけたくなるのも分かります。
でもその背中はかなり大きいと思います。
■ロッチ(VTR)
チョコレートプラネットさんのリクエストはロッチさん。
ネタは「変なノリ長いヤツ」。
舞台は結婚式を見に来た友人の2人。
「〇〇しちゃったりして」「〇〇言ってみたりして」みたいなしょーもないネタを異様に長く続ける男を中岡さんが演じています。
正直チョコプラは本当にこのネタが観たかったんでしょうか・・・
ロッチにしてももう少し面白いネタがあったような。
例えばキングオブコントの準決勝で爆笑をさらった「試着室」ネタとか。
今回は「グランドスラム」の過去素材しか使わない縛りだからこのネタになったのでしょうか。
それなら別の芸人のネタを挙げそうなものです。
真相はもちろん分かりませんが、これは「芸人のリクエスト」と謳うデメリットですよね。
「そんな訳ないじゃん」と感じた視聴者はTのように一気に冷めてしまいますよ。
■チョコレートプラネット(VTR)
そして逆にロッチさんのリクエストはチョコプラさん。
こういう「お互いにリクエストし合う」みたいなの、めっちゃ寒いので要らないです。
制作者のエゴが全面に出て、唯一チャンネルを変えかけたシーンですね。
ネタは「手紙」。
舞台は居酒屋で、長田さんの誕生日を祝うため、松尾さんが用意したのは「手紙」。
最初は普通に喜んでいた長田さんだが、何枚も手紙が出てきてうんざりするというネタ。
ネタ自体は非常に面白かったです。
変なバイアスかけなくていいのになー
■オードリー(VTR)
続いてはオードリーの過去ネタ。
春日さんの最初のひと言「女性のみなさん、春日と一線超えませんか?」。
当時は何とも思っていませんでしたが、実際に女性スキャンダルが発覚した今観ると、なんかニヤニヤしてしてしまいます。
ネタは「実家の思い出」。
久しぶりに観ましたが、オードリーの漫才は本当に形式がきっちりしてますよね。
若林さんの進行に、春日さんの突飛なボケ、それに鋭く若林さんがツッコミ。
笑い所が非常に分かりやすいので、視聴者も安心して笑えるんじゃないでしょうか。
T個人的には、「若林さんにツッコまれると、ちゃんと小さい声で『うぃ』と返してる春日さん」が好きなんです。
分かってもらえる方いますか?
一生懸命キャラを守ってる感じがかわいくて癖になります。
■千鳥(VTR)
続いては大ブレイクを果たした千鳥さん。
ネタは「医者」。
「この中でお医者さんはいませんか?」をキーワードにしたコント漫才です。
このお2人は本当に楽しそうにネタをするのが印象的です。
大吾さんなんか、途中笑っちゃってますよね、ノブさんのツッコミに。
しかも千鳥さんの漫才は、毎回ボケが奇想天外すぎますよね。
多分ほかの漫才師がやったら全然面白くないと思います。
大吾さんとノブさんのキャラクターがあってこそ、「千鳥の漫才」が完成するんですね。
T的にはグランドスラムで披露した「あなた、わたし、できちゃったみたい」の「おぬし~」ネタも観たかったです。
■ロバート(VTR)
ネタは「小学生版画クラブ」。
小学生を演じる山本さんが版画クラブに入ろうとするのですが、秋山さん演じる顧問の先生と馬場さん演じる女子小学生から衝撃のひと言。
秋山「うちは彫らないのよ」。
実は「小学生版画クラブ」は略称で、本当は「小学生が版画で彫りそうなタッチを身体で表現するクラブ」だったのです。
秋山さん、さすがの着眼点です。
視聴者みんなが「たしかに小学生の版画ってあぁだよね」と分かる爆笑ネタ。
これは設定の勝利ですね。やっぱりロバートは最高です。
■ミルクボーイ
ここまでVTRが続いて、ようやく2組目の漫才。
「ENGEIグランドスラム」初登場のミルクボーイさんです。
ネタは「オカンの好きな動物」。
M-1と同じシステムですが、少し変えてきました。
今回は「コーンフレーク」「もなか」のように候補が1つではなく、複数あるパターンで勝負。
内海が推測するオカンの好きな動物は、「アシカ」か「トド」か「セイウチ」か「オットセイ」。
これが少しずつ絞られていく要素が加わっていました。
正直、ネタの面白さは落ちていた気がします。
ミルクボーイさんのネタシステムの面白さは、内海さんのワードセンスにかなりの比重がかかっています。
例えば「コーンフレークネタ」では、「コーンフレークは生産者さんの顔が浮かばへん」「浮かんでくるのは腕組んでるトラの顔だけ」「赤いスカーフしてるトラの顔だけ」。
見事なワードセンスです。
これが正直今回のネタでは感じられませんでした。
もちろんネタは少しずつ変えていかないと飽きられてしまいます。
しかし、M-1チャンピオンの肩書で漫才をする以上、クオリティは保って欲しいですね。
■博多華丸・大吉(VTR)
バイきんぐさんのリクエストで博多華丸・大吉のお2人。
ネタは「新しいじゃんけん」。
パー(紙)がぐー(石)をくるむから勝ちなのが、納得できない華丸さん。
華丸「じゃあ餃子のあんは負けですか?」
もうここから面白い。
変な理屈をつけて、それだけで何分も笑わせる力量はさすがです。
華丸さんの不思議な所は、ボケの内容は「ゴルフ」や「お酒」といった女性が好きでない要素が多いのに、なぜか女性にも受け入れられてしまうこと。
「人間力」と「技術」が極限まで高まった最強の漫才だと思います。
■霜降り明星(VTR)
ここからは第7世代特集。
1組目は霜降り明星。
ネタは「アンパンマン」。
せいやは地味にモノマネスキルが高いです。
初っ端から「カバ強めのカバオくん」で笑わせてきます。
相変わらずテンポのよい漫才です。
こんなに安心して観られる若手漫才師はなかなかいないのではないでしょうか。
■ゆりやんレトリィバァ(VTR)
ネタは「WHAT DO YOU MEAN?」。
文字にしにくいネタです。
思わずこちらが「どういう意味?」とツッコみたくなるような事を、ゆりやんが言っていくネタ。
普通に面白いですが、ほかの芸人のネタが面白すぎるので多少見劣りは感じました。
まあ鉄板ネタばかりなので、仕方ないのですが・・・
■EXIT(VTR)
3組目は第7世代を代表する芸人に成長したEXIT。
ネタは「サザエさん」。
「サザエさんをもっとチャラくしていく」というネタ。
うーん、やっぱりT世代には何がそこまで面白いのか理解できない。
普通に面白い、面白いんですよ。
ただ、「第7世代」と祭り上げられてテレビ業界を席巻するほどの実力があるとは思えません。
勘違いして欲しくないのですが、決して否定したい訳ではないんです。
ただ「タピオカは流行りだし美味しいけど、オレはやっぱり寿司や焼き肉の方が好きだな」って感じですかね。
まあEXITがどうこうではなく、「第7世代」というネーミングでくくった霜降り明星のせいやが天才的ですね。
「世代にキャッチコピーをつけ、その世代まるごと売れる」という売れ方は「漫才ブーム」以来かもしれません。
このネーミングがなければ、EXITがここまで売れてなかった可能性すらあると思います。
■バカリズム(VTR)
第7世代くくりが終了。
続いては、東京03さんのリクエストでバカリズムさん。
しかも、ネタまで指定するマニアックぶり。
やっぱりこういう細かい所からも飯塚さんのお笑い好きが伝わります。
そのリクエストネタは「女子と女子」。
バカリズムさんらしい悪意に満ちた「こういう女性いるよね」という再現コントです。
バカリズムさんがひたすらに「あるある女子をオーバーに再現」していくのが絶妙。
多分今年のR-1ぐらんぷりに出ていたら、ぶっちぎりで1位だったでしょうね。
また、ネタ終わりの松岡茉優さんのコメントが秀逸でした。
松岡「こんな風にしか女性を見れない人が、よく結婚できましたね」
この素晴らしいコメントと合わせて楽しんでほしいネタです。
■東京03(VTR)
続いては先ほど バカリズムさんをリクエストした東京03さん。
ネタは「家族会議」。
「娘が不倫の末できた『お腹の子』をどうするべきか」という家族会議が舞台。
しかし、娘が子供を産んでキャバクラで働くと言い始めてから、話は脱線し始めます。
父親が「キャバクラがいかに大変な世界なのか」というキャバクラ論を熱く語り始め、論点がすり替わっていくのです。
トリオであることを最大限に活かした設定がまず見事。
そして何より素晴らしいのが飯塚さんのツッコミ。
角田さんの熱演に合わせて、「父さん」のひと言だけでツッコミを入れ続ける飯塚さんの技術がすごい。
様々な「父さん」の言い方で見事に感情を表現しています。
これが本当の芸ですよね。
絶対に一度は見るべき傑作ネタです。
■中川家(VTR)
爆笑問題さんのリクエスト1組目は、中川家さん。
ネタはその場のノリでアドリブで作り上げていくらしいです・・・これは驚異的です。
もう師匠と呼んでも誰も違和感を感じない存在感と安心感。
中川家さんまで来ると、何も書くことがありません。
ただただ、見入ってしまいました。
■神田伯山(VTR)
爆笑問題さんのリクエスト2組目は、講談師の6代目・神田伯山さん。
VTRを披露した当時の名前は「神田松之丞」さん。
この前名でご存じの方も多いのではないでしょうか?
「テレビで二度と見られない伝説の舞台」と左上スーパーされている通り、最高の舞台でした。
題材は「宮本武蔵」。
笑いは一切ありませんが、とにかく引き込まれます。
話術は極めるとここまで没入してしまうものなのか、思い知らされました。
伯山さんの額の汗すらカッコいい。
そして、導入で予告した通り、まさかのところで話は終了してしまいます。
テレビをフリに使う、この大胆さも素晴らしい。
舞台に行きたくなりました。
テレビを観て、舞台に行きたくなったのは久しぶりの体験です。
今は人気すぎて、チケット取れないんでしょうけど・・・
■蛍原&ホリケン
最後の1組は第4世代によるスペシャルユニット。
雨上がり決死隊の蛍原さんと、ネプチューンの堀内健さんのコンビです。
ネタは「ホトシュール」。
蛍原さんは、ただまっすぐ前を観ているだけ。
ホリケンさんが、その様子を「買いもしない不動産を観ている人」など、何かに例えて進行するシステムです。
思ったより面白かったですが、番組のラストにふさわしいのか疑問。
・・・と思っていたら、どうやら後番組である「向上委員会」のつなぎですね。
どうせこのタイミングで登場するなら、宮迫さんがらみのネタをぶち込んで欲しかったですね。
ちょっとミーハーが過ぎるTでした。
■視聴率
気になる視聴率ですが、平均視聴率は11.1%でした(関東地区)。
2桁のせるのが難しい演芸番組、しかも無観客での実施。
その中で11%台を達成したのは、コロナで在宅率が高まっているとはいえまずまずの数字だと思います。
いかがでしたか?
ほとんど過去ネタで構成されていましたが、「PERFECT HUMANの初お披露目」や「神田伯山さんの講談」など、永久保存すべき演目が多い回でした。
録画している方はぜひ観るべき回だと思います!
以上、名もなきテレビマンの独り言でした。
ではでは