番組

現役テレビ局員の辛口R-1批評【予選Bブロック】

どうも!マスゴミテレビ局員Tです!
「現役テレビ局員の辛口R-1批評」予選Bブロックを解説します。

(オープニング~予選Aブロックについてはこちら
(予選Cブロックについてはこちら
(ファイナルステージについてはこちら

Bブロックは「無観客試合」である事が審査に多大な影響を与えた、興味深い戦いでした。

■Bブロック1人目 【ルシファー吉岡】

VTRで「限りなく透明に近いピンク」なネタ(下ネタ)をすると紹介されての登場。
こういう紹介VTRで芸風まで言及するのって良し悪しありますよね。
たとえばAブロックの野田クリスタルは「ゲームを自作する事」をVTRで紹介してもらっているので、視聴者もすんなりネタに入れたと思います。
ただ、変に「クセがある」「天才」「有名人が推薦している」とかハードル上げちゃうと、本ネタの邪魔する事があります。
奇想天外なボケが売りの芸人に対して、「奇想天外な芸人です」と事前に紹介しちゃうのは「芸人殺し」になりかねません。

ルシファー吉岡はまさにこれ
設定は、アルバイトのおじさん(吉岡)が休憩時間に若い女性もめている所から始まる一人コント。
おじさんは飲みかけの缶コーヒーを置いていましたが、女性も同じ缶コーヒーを同じ場所に置いていたため、どっちがどっちの缶コーヒーか分からなくなってしまっています。
別にどちらの飲みかけでも気にしない若い女性に対して、異常に気にする少し気持ち悪いおじさんをルシファー吉岡が怪演しているのですが。

VTRのせいで予定調和感が出て見てられない。

本当は薄い、ちょうどいい気持ち悪さを楽しむネタだと思うんです。
でもその意図に気づく前にVTRで誘導されちゃってるので、妙に予定調和で冷めちゃったんですよね。
たしかに分かりやすくはなりますが、ルシファー吉岡自身はどう思っていたか気になりました。

ネタ番組で制作サイドがエゴを出せるのは、「オープニング演出」や「紹介VTR」しかありません。
ネタ番組は芸人のネタが中心かつ全てなので。
だからこそ、数少ない出番である「紹介VTR」はついつい頑張って、妙に凝ってしまうんですよね。

ただ、賞レースはフラットな状態で競われるべきで、芸風まで紹介するのは個人的には嫌いです。
どうしても、キャッチーな話題やキャラがあるコンビのVTRの方が完成度は高くなりますし、その時点で公平では無くなります
紹介VTRなんて、出てくる芸人の名前が分かればそれでいいんですよ。
芸の邪魔になるよりかはずっと。

■Bブロック2人目 【ななまがり森下】

「水曜日のダウンタウン」の新元号当てるまで帰れないドッキリで、瞬間風速の脚光を浴びた男が登場しました。

ネタは「乳首隠せない男」というかなり攻めたネタ。

上裸になって、どうしても乳首が隠せない男を熱演。
まずは自分の手で隠そうとするが、どうしても隠せない。
ゆっくり隠そうとしたり、速く隠そうとしてもダメ。
ニップレスを貼ろうとするも、全然違う所に貼ってしまう。
貝殻のブラがあると思ったら、しじみのブラ(小さすぎて隠せない)

とにかくどうやっても乳首を隠せない男をやりつづけるのみ。
最終的に、乳首で電流イライラ棒(懐かしい!)をするのには吹き出してしまった(それでも隠せない)

森下が初めて「無観客を味方にした」気がしました。
だって女性客がいたら、ドン引きされていたであろうネタですから。
これは審査員も評価が難しいでしょうね。

■Bブロック3人目 【パーパー ほしのディスコ】

見た目通りの幸薄そうなキャラクターを活かした一人コント。

彼女に「隠している事あるよね?まいちゃんの口から言って」と迫る男。
実は「男が冷蔵庫に置いていたプリンを食べてしまった」としょうもない答えを期待していたのですが、彼女からは「昨日浮気した」と衝撃の告白。
予想外の答えにうろたえながらも、彼女を許そうとする可哀そうな男が、ほしのディスコにピッタリ合っているネタでした。

全部忘れてプリンの話に戻そうとする男。
しかし、そのプリンも彼女ではなく浮気相手が食べていた事実が発覚するなど、ストーリー運びも見事。

ただ、圧倒的に笑いが少ない
これはピン芸人一人コントの難しい所。
ほしのディスコの場合は、セットも無く、服装も普通なので視聴者が世界観を把握するのにまず時間がかかります。
さらに相手役(彼女)がいないので、ほしのディスコのコメントと間で、その部分を表現するしかありません(そこが笑い所でもあるのですが)。
こういうネタは、伝えなければならない設定など笑い以外の要素がどうしても多いなので、必然的に短い尺だと笑い所が少なくなります。

それでも後半に畳みかける展開など、工夫すれば戦う事はできますが、そこまでの出来には感じませんでした。
フリップ芸は、ピンでも漫才並みに手数が出せます。
去年の粗品がまさにそうでした。
こうした手法に対抗するには、もうひと工夫必要だったと思います。
世界観は面白いし、もったいない印象でした。

■Bブロック4人目 【すゑひろがりず 南條】

去年のM-1でも活躍したすゑひろがりずの南條がピンで登場。
「今昔またぎ」という大道具で舞台を2つに分け、舞台下手にいる時は「今」の言葉、舞台上手にいる時は「昔」の言葉になるというネタ。
※下手は客席から見て左、上手は客席から見て右を指します
M-1でやっていた「漆黒のいかずち」→「ブラックサンダー」のネタを、ひっくり返してピン用にアレンジしたイメージです。

布袋寅泰のスリルを歌いながら舞台下手で「baby」を連呼しつつ、舞台上手へ移動して「乳飲み子!」と叫んだのには笑いました。
ただ、すごく緊張していましたね。
緊張するのは当たり前ですが、それが視聴者にも分かるレベルだったのはいただけないですね。

Bブロックは正直審査が難しい4人だと思います。
Tの感覚では、最終にあがるべき1人が見当たりませんでした。

まあ普通に審査すれば「ほしのディスコ」か「すゑひろがりず南條」でしょう。
個人的には、ななまがり森下の2本目も観たい気がします。

■Bブロック 審査発表

まずは【お茶の間d投票】です
1位 すゑひろがりず南條
2位 ほしのディスコ
3位 ななまがり森下

やはりM-1で認知が広がった南條は強いですね。
53%と圧倒的な差をつけての1位でした。
顔が分からない人も、衣装とネタですゑひろがりずだと分かるのはやはり強みだと思います。

続いて【Twitter投票
1位 すゑひろがりず南條
2位 ほしのディスコ
3位 ルシファー吉岡

今回はお茶の間d投票とTwitter投票で、1位2位が同じ結果となりました。
視聴者投票が終わっての途中経過は、
1位 南條 6票
2位 ほしのディスコ 4票
3位 ななまがり森下 1票
3位 ルシファー吉岡 1票
となりました。
お茶の間d投票とTwitter投票でどちらも1位を取ると、6ポイントになるので大きいですね。

そして【審査員投票】です。

文枝師匠 南條×2 ななまがり森下
関根勤  ななまがり森下×2 南條
久本雅美 ほしの×2 ななまがり森下
陣内智則 ルシファー吉岡×2 ほしの
友近   ななまがり森下×2 ほしの
勝俣州和 ななまがり森下×2 ほしの

この結果、なんと南條・森下・ほしのが9票ずつで並ぶことに!
(ルシファー吉岡は3票)
同点の場合、お茶の間d投票とTwitter投票の合計が高い方が勝ち抜けというルール
そのためすゑひろがりず南條がBブロックを勝ち抜く事に。

・・・いや、視聴者の権限すごいな!

もし去年のように審査員のみの票数で決まる場合、
1位 ななまがり森下  8票
2位 ほしのディスコ  5票
3位 すゑひろがりず南條3票
4位 ルシファー吉岡  2票
まったく違う結果になります。

無観客がこういう結果に導いたのでしょうか。
観客の笑いが無い分、審査員がプロの目から見た場合、もう1本観たいと思ったのはななまがり森下。
ところが、世間でウケていたのは圧倒的にすゑひろがりず南條。

視聴者投票で6票を勝ち取った南條が、審査員からは3票しか入れられず、逆に視聴者投票で1票しか入らなかった森下に審査員は8票も投じました。
大会のルールなので仕方ないですが、森下は運がなかったですね。

次はいよいよ最終Cブロックです。
(予選Cブロックの辛口批評はこちらから)

(予選Aブロックの辛口批評はこちら
(ファイナルステージの辛口批評はこちら

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