番組

現役テレビ局員の辛口R-1批評【ファイナルステージ】

どうも!マスゴミテレビ局員Tです!
「現役テレビ局員の辛口R-1批評」ファイナルステージを解説します。

(オープニング~予選Aブロックについてはこちら
(予選Bブロックについてはこちら
(予選Cブロックについてはこちら

最終決戦に進んだのは野田クリスタル、すゑひろがりず南條、大谷健太の3名。
果たして誰が優勝するのでしょうか?

また、今回のR-1ぐらんぷりの総括も最後にしたいと思います。
今回は「無観客での実施」という異例の大会。
今年から大きく変わった審査方法は正しかったのか?
このあたりにも切り込みたいと思います。


■ファイナルステージ1人目 【マジカルラブリー 野田クリスタル】

ファイナルステージの1人目はAブロック勝者の野田クリスタル。
ファイナルでも自作のゲームネタです。

ただ、今度はゲームを変えてきました。
今回は「モンスト(モンスターストライク)」をやろうとするのですが、いざプレイすると「々とするぜストッキング姉さん!」というゲームだったという設定。
画面にはストッキングを履いたお姉さんがおり、本家モンストのように「はさみ」を引っ張って当てると、その部分のストッキングが破れるというもの。
Aブロックでプレイした「ももてつ」より、さらにしょうもないゲームなのですが、今回も不思議と応援してしまいます
なんでしょう、友達の家でゲームをしている友達を応援している感覚でしょうか?

さらにラストも秀逸。
課金すると「お姉さんのストッキングが敗れまくりで、アソコを残すのみ」になった状態でスタートします。
野田クリスタルは何とかはさみで破ろうと奮闘。
しかし、いざアソコに当てると、「課金」という文字で隠されるアソコ
昔のしょうもないエロゲーを思い出して笑ってしまいました。

■ファイナルステージ2人目 【すゑひろがりず 南條】

ファイナル2人目はBブロック勝者のすゑひろがりず南條。
Bブロックでの「今昔またぎ」にベストテン要素を足したネタを披露しました。

予選同様、舞台は中央の「今昔またぎ」で下手(左側)は「今」、上手(右側)は「昔」に分けられています。
そして「今昔またぎ」の横には「ベストテンのランキングボード」が新たに設置されました。
このランキングボードで表示された曲を歌いながら移動し、途中で歌詞を古典風にして笑わせるスタイルです。
予選のネタよりも、見やすくて笑いやすい印象でした。

特にDA PUMPの「USA」で、「カモンベイベー 黒船!(アメリカ!)」
ドリカムの「大阪LOVER」で、「上方言葉は巧みに操れぬ(大阪弁は上手になれへんし)」
あたりからノッてきた気がします。
これも観客がいれば、もっと爆発的な笑いが生まれてそうなネタでした。

ただランキング形式で10曲もあり、すべて同じシステムの笑いなので、単調で飽きがきたのが難点。
オチも勢いでしかなく、構成面で工夫が欲しかったところです。

■ファイナルステージ3人目 【大谷健太】

ファイナル3人目は、復活ステージから勝ち上がってきて勢いのある大谷健太。
これまで敗者復活した芸人が優勝した例はなく、初の敗者復活優勝の期待がかかります
M-1でいうサンドウィッチマンやトレンディエンジェルのパターンですね。

披露したのは再びフリップ芸。
しかし「早口言葉」から「2コマ漫画」に内容を変えてきました。

大谷「学校あるあるでは無いこと
1枚目:学校のグラウンドに犬⇒大谷「犬入ってきた犬入ってきた」
2枚目:その犬は着ぐるみで、人間が入っていた⇒大谷「人入ってた人入ってた」

このように大谷健太の言葉と1枚目のフリップでフリを、2枚目のフリップで落とすシステム。
非常に分かりやすく、笑いやすいものでした。
決勝で唯一、大幅にネタの仕組みを変えてきた大谷健太。
こういう挑戦的な人、大好きです。

ただ、予選のネタよりも1つ1つの完成度が低いように感じました。
大谷健太はちゃんと観客の笑いの間を取るタイプの芸人さんなので、スベった時の静寂の印象が半端じゃなかったです。
予選の勢いが出せればと思っていましたが、優勝するほどのネタには正直思えなかったです。

こうして、すべてのネタが終了しました。
この段階では「野田クリスタル」が大本命、次点で「大谷健太」とTは予測していました。

■ファイナルステージ 審査発表

ファイナルステージも、まずは【お茶の間d投票】から。
その結果は、
1位 野田クリスタル
2位 大谷健太
3位 すゑひろがりず南條
となりました。

続いて【Twitter投票】でも、
1位 野田クリスタル
2位 大谷健太
3位 すゑひろがりず南條
お茶の間d投票と、全く同じ結果となりました。

視聴者投票が終わっての途中経過は、
1位 野田クリスタル   6票
2位 大谷健太      4票
3位 すゑひろがりず南條 2票

予想通り、野田クリスタルが最も高評価を獲得しました。
しかし、大谷健太との差は2票差。
審査員投票次第では、まだまだ分からない状況です。

そして迎えた【審査員投票】。
その結果は、

文枝師匠 南條×2 大谷健太
関根勤  野田クリスタル×3
久本雅美 野田クリスタル×3
陣内智則 野田クリスタル×2 大谷健太
友近   大谷健太×2 南條
勝俣州和 野田クリスタル×2 大谷健太

その結果、
1位 野田クリスタル   16票
2位 大谷健太      9票
3位 すゑひろがりず南條 5票

マジカルラブリーの野田クリスタルが18代目R-1ぐらんぷりの王者と輝きました。
2位の大谷健太に7票の差をつけての優勝です。
ちなみに審査員の投票だけみても、

1位 野田クリスタル   10票
2位 大谷健太      5票
3位 すゑひろがりず南條 3票

圧勝ですね。
野田クリスタルは「視聴者投票」「審査員投票」両方を味方につけ、さらに難しい無観客試合を制したのです。
これは価値のある優勝だと私は思います。

■野田クリスタルおめでとう!しかし、ここからが地獄・・・

これは完全にスタッフのミスだと思います。
ありえないミスです。
何があったかというと、

スタッフの時間管理が酷すぎる!

具体的には、優勝者発表のあとに時間を取りすぎなんですよね。
トロフィーや優勝賞品の授与、優勝者のコメントは分かる。
その後があまりにも長すぎました。
審査員6名全員がコメントしてもまだ時間がある。
ファイナルステージで負けた2組が話しても時間がある。
しまいには予選で負けた芸人がコメントしてもまだ時間がある。
完全にだれて「どうすんだよこの空気」という悲惨なエンディングを迎えていました。

司会の蛍原さんも「途中巻いてたのに…」と思わず漏らしたほど。
そうなんです、結構巻いて駆け足になったシーンはいっぱいあったんですよ。

ただ、生放送の時間の管理は非常に難しいです。
何かトラブルが発生するリスクもありますし、ネタ時間を大幅にオーバーする芸人が出てくるかもしれません。
後ろにクッションの時間をとるのは当然の安全策です。

しかし一方で、賞レースの時間管理の鉄則として「優勝発表後、早めにしめる」があります。

理由は「視聴率」。
視聴者からすれば、賞レースの最大の関心ごとは「誰が優勝するか」この1点です。
そのため優勝が決まった瞬間から、興味を失った視聴者は離れ、数字は急激に下がってしまいます。

多分あのだらだらしたエンディングは、ぐんぐん視聴率落ちたでしょうね。
お笑いライブのエンディングコーナーを見てるようでした。
敗者のコメントも聞きたいコアなお笑いファン層に対しては、配信で反省会の様子を流すなど地上波でない形でも応じられます。
こんな時間があったら、1つ1つのネタに対しての審査員コメントがもっと聞きたかったです。

Tは一連の記事の冒頭で「スタッフに怒りを感じた」と言いました。
それはこの時間管理のずさんさに怒っていたのです。
漫才やコントなどの演芸番組では、スタッフがやれる事が少ないです。
そのため「いかに気持ちよく出演者にネタを披露してもらうか」運営面に命をかけるべきなのです。

優勝決定した後に、審査員のコメントいきましたよね?
あれって地獄なんですよね。
優勝者に水をさす訳にもいかないから、行儀の良いコメントでお茶を濁すだけ。
かといって発表前にコメントさせても、結果が出てないので言いにくい。
(それでも、その方が引っ張りにはなりますが。)

本当に無意味な時間でした。

とにかく、一番大切な時間管理を誤った。
これだけは同じテレビマンとして許せませんね。

■審査方法の変更はどう影響したか?

今回「無観客」ばかりがフィーチャーされていますが、1番議論すべきは「審査方法の変更」です。

去年の大会では審査員6名が、それぞれ持ち点3票ずつ与えられ、自由に投票する【審査員投票】のみでした。
そのため最高得点は6×3=18点でした。
今年はそこに「お茶の間d投票」と「Twitter投票」が加えられました。
どちらも1位を取れば6票を獲得できるので、最高得点は24点に増えた訳です。

これで視聴者の採点が、大きく結果に響く審査方法となったのです。

詳しく見ていきましょう。
Aブロックの【視聴者投票】は、
1位 野田クリスタル 6票
2位 メルヘン須長  2票
2位 守谷日和    2票
2位 SAKURAI 2票

そしてAブロックの【審査員投票】は、
1位 野田クリスタル 9票
2位 SAKURAI 7票
3位 守谷日和    2票
4位 メルヘン須長  0票

視聴者投票と審査員投票でSAKURAIの評価は分かれますが、野田クリスタルの1位通過は変わりません。

続いてBブロックの視聴者投票は、
1位 すゑひろがりず南條 6票
2位 ほしのディスコ   4票
3位 ななまがり森下   1票
3位 ルシファー吉岡   1票

そしてBブロックの審査員投票は、
1位 ななまがり森下   8票
2位 ほしのディスコ   5票
3位 すゑひろがりず南條 3票
4位 ルシファー吉岡   2票

なんと全く違う結果になるのです。
去年の方法ではななまがり森下が1位となり、すゑひろがりず南條は3位。
視聴者からも審査員からも評価されているほしのディスコは評価できますが、審査員と視聴者でここまで大きなズレがあるのです。

さらにCブロックを見てみましょう。
【視聴者投票】は、
1位 ワタリ119  6票
2位 大谷健太    4票
3位 ヒューマン中村 2票
4位 おいでやす小田 0票

そして【審査員投票】は、
1位 おいでやす小田 8票
2位 大谷健太    7票
3位 ワタリ119  3票
4位 ヒューマン中村 0票

ここも視聴者と審査員で大きなズレが起きました。
視聴者投票で0票のおいでやす小田が、審査員投票では1位。
逆に視聴者投票で1位のワタリ119が、審査員投票では3位。
その結果、視聴者からも審査員からも評価されたダークホースの大谷健太がファイナルへ進出したのです。

無観客で審査が難しかったのも要因としてあるかもしれません。
しかしこれほど「プロの審査」と「視聴者の審査」は乖離があるのです。
これは昔から議論されてきたジレンマでもあります。

プロが審査すれば「なんであの人が優勝するんだろう」と視聴者が納得できない結果になります。
一方で視聴者が審査すれば「人気ある人に票が集まる」と知名度勝負に陥ってしまう事も懸念されます。
今回のR-1はおそらく両者の良い所を取り入れようとしたと思いますが、逆に両者の溝の深さを際立たせてしまったのです。

これはただの結果論であって、答えはありません。
ただ、Tなりに1つ改善案を出すとすれば「視聴者投票はどちらか1つでよかったんじゃないか」というもの。

「dボタン」と「Twitter」。
ユーザー層が多少ちがっても、広い意味で「視聴者」である事は変わりません。
これはA~Cブロックのすべてで、お茶の間dの1位=Twitterの1位である事から明らかです。
すると、視聴者投票が終わった時点で、1位には6票もの投票が入ってるんですよね。

こうなると審査員の発表を残して、ファイナル進出者は明らかなのです。
また、これを審査員投票で逆転する人が現れても、制作サイドが望むような「胸熱の逆転劇だ!」とはなりません。
なぜなら視聴者からすれば「視聴者投票で6票もアドバンテージがあったのに、なぜ負けるの?」と審査員への不満が先に来てしまうからです。

それを解消しつつ視聴者目線も取り入れたければ、どちらか1つだけにしておけば、バランスがとれたはず。
そうなると1位にも3票しか入らないので、逆転劇が起きても違和感も軽減できます。
その場合、視聴者投票による投票差が小さくなるので「1位と2位だけが票を得られるシステム」などの調整は必要かもしれませんね。

■まとめ

  • 優勝した野田クリスタル。そして敗者復活から準優勝した大谷健太。2人には売れて欲しい!
  • 「無観客」の異様な空気の大会でした。スタッフもうちょい頑張れ。
  • 審査方法には一考の余地あり

いかがでしたか?
色々文句言いましたが、優勝した野田クリスタルのネタは文句ない面白さでした。
今後の活躍に期待大です。
もちろん準優勝の大谷健太も注目していきたいですね。

以上、名もなきテレビマンの独り言でした。
ではでは

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