どうも!マスゴミテレビ局員Tです!
今日は「テレビ番組ができるまで【制作現場の最前線】」です。
何気なく見ているテレビ番組ですが、実はたくさんの時間と労力をかけて作られているんです。
もちろん番組によって様々な手法がありますし、局によっても微妙に異なると思います。
そこで誰でもイメージしやすいモデルケースを用意しました。
・ゴールデンタイムの情報番組
・毎週おいしいグルメや話題のスポットを紹介する内容
なんとなくイメージする程度で大丈夫です!
それではいってみましょう!
■制作過程① リサーチ・企画会議
当たり前ですが、番組制作は1人ではできません。
通常は、各番組ごとに制作チームが組織されています。
局や番組によっても異なりますが、だいたい以下のようなメンバー構成です。
●番組全体の演出を担当する「総合演出」「演出」「チーフディレクター」
●番組の予算管理やキャスティングなど品質管理を行う「プロデューサー」
●実際にロケに行ったりVTRを制作するなど現場を指揮する「ディレクター」
●企画提案やアイデア出し、アドバイス等を行う「作家」「構成作家」
●プロデューサーを補佐する「アシスタントプロデューサー(AP)」
●ディレクターを補佐する「AD」
●番組で取り上げるネタの調査や情報提供を行う「リサーチャー」 など
今回は私が主に担当しているディレクターの目線でご紹介しますね。
レギュラー番組であれば、何か月も先まで、放送内容が決まっています。
「イッテQ」を例にあげると分かりやすいでしょうか。
3か月後1週目の放送は「お祭り男」と「ロッチ中岡のQチューブ」、3か月後2週目の放送は「温泉同好会」と「世界の果てまでイッタっきり」と予定されているとしましょう。
そうなると2か月後の2週目あたりでスタジオ収録、というように逆算してスケジュールが決まってくる訳です。
それぞれ担当のディレクターは、オンエア予定に穴をあけないよう、準備をしていく訳です。
その最初の段階が、「リサーチ・企画会議」です。
今回は情報番組という想定ですから、担当ディレクターは番組で紹介するのにふさわしいグルメやグッズなどのネタを探すのです。
ネタ元は様々です。
番組が抱えるリサーチャーや作家からネタを提供してもらう。
足で稼いで、自分が美味しいと思う店や面白い場所、変な人を探す。
新聞や雑誌を見て、紹介されている情報に目をつける。 などなど
情報番組であれば、どんな情報網・人脈を持っているかも腕の見せ所かもしれません。
そして、いいネタが見つかれば、取材交渉を行います。
さらに、取材が可能ならさらに情報を深堀りし、資料をまとめて、企画会議に出します。
そこで番組を統括している演出やプロデューサー、チーフプロデューサーの了解が得られたら、企画は正式に始動します。
■制作過程② VTR作成・収録準備
企画が動き出したら、取材先とロケの日時や内容について交渉します。
テレビに協力的な人もいれば、忙しい中貴重な時間を割いてくれる人もいます。
ここでTが大切にしているのは「お邪魔させてもらっている」「紹介させてもらっている」という気持ち。
今の時代は決して「テレビで紹介してやるよ」という上から目線は厳禁です。
たま~にそんな苦情をSNSで見かけると同じテレビマンとして怒りを感じます。
同時にロケの台本を練り上げます。
- リポーターはタレントなのか、芸人なのか、はたまたディレクターが自ら行うのか?
- 料理であればどの料理をどんな風に撮影するのか?
- 必要なナレーションを説明するためには、どんな映像を撮影すれば分かりやすいのか?それは先方の許可がもらえるのか?
などなど、決めなければならない事はたくさんあります。
そして実際にロケを行うと、今度は収録したテープを編集します。
「ディレクターが自分で編集したものを、そのままスタジオで流すパターン」もあれば、後述する「ポスプロや音づけまで行ったものをスタジオで流すパターン」もあります。
後者の方がもちろん完成度が高いので、Tはできるだけそれが出来るようなスケジュールを組みます。
編集作業と並行して、スタジオ収録の台本も作成します。
- どんな流れで収録を行うのか?
- 小道具が必要であれば美術スタッフと事前に相談
- パネルを使うのであればパネルの業者に発注する
など、当日あわてないように、事前にしっかりと準備や各所との交渉を行います。
■制作過程③ スタジオ収録
いよいよ収録日。
収録前には技術・美術スタッフとの打ち合わせとリハーサルがあります。
まず打ち合わせで収録の流れを確認。
その後スタジオでカメラ位置の調整や美術セットの確認等、リハーサルを行っていきます。
何気なく出演者の背後に映りこんでいるセットですが、実はカメラをのぞきながらミリ単位で調整されています。
新入社員のときは「ここまでしないといけないのか!」とめちゃくちゃ驚きました。
また、制作スタッフがMCやパネラーになりきり、台本の流れに沿って動きを確認するカメラテストも行います。
基本は出演者の導線やイレギュラー時の撮影方法などを確認するためのもの。
しかしここで上手く出演者になりきったり笑いをとったりすると、技術スタッフもノッてきて、いい雰囲気で本番を迎えられます。
一方、収録スケジュールにあわせて出演者もスタジオに集まってきます。
番組MCはもちろん、出演者に対してもディレクターやADが台本に沿って説明を行います。
そして収録本番。
事前に準備したVTRを出演者に見せたり、トークしてもらったり。
VTRのディレクターを担当していると、それを観ている出演者の反応が楽しみかつ怖いです。
Tは1度、収録中にMCに激怒された事があります。
「このVTR作ったの誰!?全然おもんない、やめよ」とカメラが回っている前でキレられた時は、その場から消えたかったです。
今となってはいい思い出ですが・・・
こんな事もあるので本番前は色々と不安ですが、いざ始まればたいてい出演者が想定以上に面白くしてくれます。
収録は毎回本当に芸能人のすごさを思い知らされる瞬間です。
■制作過程④ ポスプロ
スタジオ収録が終われば、また編集作業に入ります。
その時重要になのが、番組の設計図ともいえる「フォーマット」。
番組が「何時何分何秒から何時何風何秒何秒まであるのか」その間に「何秒のCMがいくつ入るのか」等が書かれています。
どうやってCM中に視聴率が下がらないようにできるか、裏番組とどう差別化できるか、など様々な事を考えながら編集します。
編集が完了し、全体の尺(時間)が決まると、次は「ポスプロ」仕上げに入ります。
プロの編集スタッフが映像編集を行い、放送レベルに仕上げていきます。
この際、普段テレビを観ていると入っている文字情報(テロップ・スーパー)も、デザインして入れていきます。
こうして映像的には完成。
さらに、音声部分についてもプロ(専門スタッフ)の手が入ります。
- 局アナやナレーター、タレントにナレーション原稿を読んでもらう【ナレーション録り】
- 音効スタッフがテロップに合わせて効果音を入れたり、シーンに応じて音楽をつける【音づけ】
- VTRの入っているすべての音を調整し、視聴者がストレスなく聞き取りやすいようにする【MA】
プロの手が入ると言っても、最終的にOKを出すのはディレクターなので、専門スタッフに指示を出しながら一緒に作業をします。
テロップや音楽で視聴者の感じ方は大きく変わってくるので、最後まで本当に気が抜けません。
こうして何か月もかけて1つの番組が完成するのです。
あとは「無事放送される事」と「高視聴率が出る事」を祈ります。
また、視聴率も大切ですが、情報番組であれば自分が紹介したお店やグッズの反響も気になります。
企業の担当者やお店のスタッフから嬉しい悲鳴が届くと、こちらも感慨深いです。
■まとめ
いかがでしたか?
何気なく観ている番組ですが、その制作過程を垣間見るとたくさんの人が時間と労力をかけて制作しているのです。
テレビ局にはそのためにカメラマンや編集マン、美術スタッフなど各分野のスペシャリストが大勢います。
そして、制作スタッフはそのすべての過程に携わり、作品が出来上がっていく様を一番近くで見る事ができます。
これはテレビマンのやりがいの1つかもしれません。
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