どうも!マスゴミテレビ局員Tです!
今日は「イッテQお祭り企画が復活!感想&視聴率は?【ヤラセ問題】」についてお話しします。
2020年3月8日放送の「世界の果てまでイッテQ」(日本テレビ)で、人気企画「世界で一番盛り上がるのは何祭り?」が復活。
実に1年4か月ぶりの放送となりました。
その「復活の模様」と「気になる視聴率」について現役テレビ局員が斬りこみます。
個人的にはヤラセ問題で「打ち切り」とか「休止」とかナンセンスだと思う派なんです。
今回の復活も複雑な気持ちで見てました。
■お祭り企画休止。そもそも何があったのか?
事の発端は2018年11月の週刊文春の記事。
「橋祭り(ラオス)」や「カリフラワー祭り(タイ)」で実際には存在しない祭を実在するかのように放送した「ヤラセ疑惑」が報じられたのです。
超人気番組の目玉企画だったため大騒動に発展し、当時の日本テレビ社長が謝罪。
祭り企画も放送休止という処置がなされました。
この騒動はBPOでも審議入りし、「程度は重いとは言えないものの、放送倫理違反があった」との意見書も発表されています。
テレビ業界では日曜日のゴールデンタイムは1番良い枠です。
ファミリー視聴者も多く、ここにCMを打ちたがるスポンサーも多いでしょう。
しかもその時間帯でトップをひた走っていたのが「イッテQ」というお化け番組なのです。
(今でこそ「ポツンと一軒家」がトップを奪いましたが)
そんなお化け番組に突如巻き起こったヤラセ騒動に、テレビ業界は震撼。
当時は私は「イッテQが終わるかもしれない」という驚きはもちろん、「芋づる式に他の番組でもヤラセが発覚するんじゃないか」という恐怖も感じていました。
芸能人の薬物問題や不倫問題でもよくありませんか?
大物のスクープや逮捕をきっかけに、世間がそれを許さないムード一色になり、世間の興味関心が高まったタイミングで他の人物の報道が出て、さらに叩いて・・・
つまり「イッテQがやらせしてるんだから、やっぱりテレビ業界はダメ!攻撃しよう!」というムードになるのが怖かったのです。
実際その後、TBSの「クレイジージャーニー」「消えた天才」でもヤラセが発覚。
この2番組は打ち切りに追い込まれました。
■ついに復活!1年4か月ぶりのお祭り男!
こうして1年4か月の自粛を経て、2020年3月8日にお祭り企画が復活しました。
番組冒頭、楽屋で「祭り企画の復活」を宮川大輔さんがスタッフに告げられるシーンからスタート。
涙をこらえて「めちゃくちゃ嬉しい」と喜ぶ大輔さん。
観ていてこちらも目頭が熱くなりました。
私たちテレビマンにとって、企画は我が子です。
本当に色々な苦しみ・葛藤・しがらみを乗り越え、ようやくこの世に誕生してくれたものです。
だから我が子(企画)に対しては、様々な心配をしてしまいます。
なかでも1番の心配は「我が子はみんなに愛される存在になれるかな」ということ。
そういう意味では、宮川大輔という一流芸人にここまで愛され、渇望されていたお祭り企画は、本当に親孝行だと思います。
大輔さんに関しては「育ての親」なのかもしれませんが。
どなたか存じ上げませんが、この企画を生み、育てた番組スタッフには敬意を表したいです。
そしてスタジオに入っても、泣きそうになってタイトルコールもままならない大輔さん。
「あんな企画打ち切りしろ!」と騒いでいた人たちは、この姿を観てどう思っているのでしょうか。
復帰一発目の祭りは「フルーツケーキ祭り inアメリカ」。
それを聞いた大輔さんは「復帰一発目でキラキラ?」と大食い企画と予想。
しかし実際は「フルーツケーキ(もちろん食べ物)を投げる祭り」という、ある意味ギリギリの企画。
大輔さんも「これ大丈夫かな?」「また怒られるんちゃう?」と心配します。
実はフルーツケーキ祭り、地元で24年も続くイベント。
アメリカではクリスマスのお祝いとしてフルーツケーキを送り合う習慣があるそう。
しかし、大量に余ったケーキは食べきれず、賞味期限が切れてしまいます。
ただ捨てるだけではもったいないと、ケーキを投げるイベントで町おこしをしようとしたのが始まりなんだそう。
一見怪しいけど由緒あるこの祭りのチョイスはさすがだなと思いました。
復帰一発目になると、どうしても派手なネタをチョイスしがちです。
しかし怪しい部分がある祭りですから、大輔さんが色々心配している立ち位置で発言できますし、何より派手なネタで派手な宣伝をすると「反省していない」と怒る層もいるでしょうしね。
■立役者・宮川大輔の圧倒的な人間力
VTRでは恒例の【「大輔!アレを見ろ!」⇒「えええ!」の流れ】や【「そうそうそう…」⇒「ってアホ!」のノリツッコミ】も満載。
お祭り男の定番ネタがいちいち心を揺さぶってきます。
そして肝心の祭りの結果ですが、「距離」「スピード」「コントロール」「バランス」の4部門ある中、なんと大輔さんは「スピード」部門で優勝!
当日、「スピードガンの調子が悪くそもそも計測できない人もいた」というオチもつきますが、復帰一発目で見事優勝を飾りました。
こうして祭りは終了。
このエンディングでも涙ぐむ大輔さん。
プレッシャーがあった事も明かしながら、「めっちゃ楽しかった。これからもお祭り男頑張っていきますので皆さん応援のほどよろしくお願いします」と頭を下げていました。
その表情、その声、その姿から、祭り企画の復活を心から喜び、楽しみ、一生懸命ロケをやり切った大輔さんの人間味を強烈に感じました。
きっと私だけではないはずです。
「テレビ局は信用できないけど、この宮川大輔という芸人は信用できる」と多くの視聴者が感じたのではないでしょうか?
これは普通の会社に置き換えた方が分かりやすいのですが、会社でも色んな人がいるじゃないですか。
その人たちが何か不祥事やトラブルを起こした時、人が離れていくか残って応援してくれるかは日頃の態度によるんですよね。
普段から威張り散らしてるウザい上司なら「ざまあみろ」ですし、信用できる上司なら1度の過ちくらい応援してあげようと思いません?
大輔さんがこれまでのお祭り企画で見せてきた「人間くさい魅力」が応援してくれる視聴者を引き留めていたんです。
もしかしたら大輔さんで無ければ、コーナー自体が終わっていたかもしれませんね。
これだけ人間力のあるタレントはなかなかいないと思います。
次の中岡さんのVTRはまったく印象に残っていないくらい、見事な復活でした。
しゃべりも面白くて人間力もあるなんて、最強の芸人さんです。
■お祭り男の復活。視聴率には影響した?
気になる視聴率ですが、「15.4%(関東地区・平均)」でした。
この日の裏番組の平均視聴率を見ると、
- 『ポツンと一軒家』(テレビ朝日) 20.4%
- 大河ドラマ『麒麟がくる』(NHK) 13.7%
- 『坂上&指原のつぶれない店』(TBS)10.4%
- 『R-1ぐらんぷり』(フジテレビ) 7.1%
- 『池上彰の緊急生放送』(テレビ東京) 5.9%
という事で『イッテQ』は同時間帯2位の結果でした。
「ポツンと一軒家」は20%超えてるんですね・・・凄すぎる。
コロナウイルスの影響で在宅率が高く、テレビ視聴数が増加しているのでしょうか。
なんとなく各局高めのイメージです。
ただ、コロナに関しては散々ニュースで報じられていますし、この時間はバラエティで一息つきたいのかもしれません。
「コロナ」を特集していた池上彰の緊急生放送が最下位に沈んでいます。
バラエティ好きのTとしては、「R-1ぐらんぷり」が7%台なのが信じられません。
視聴習慣が盤石な日曜日を避けての放送の方がよいかもしれませんね。
(R-1ぐらんぷりの記事はこちらから。「Aブロック」「Bブロック」「Cブロック」「ファイナル」)
■まとめ
いかがでしたか?
同時間帯1位こそ「ポツンと一軒家」に譲りましたが、15.4%と高視聴率を維持した「イッテQ」。
確かに過去に犯したヤラセはダメなことです。
T自身、テレビ業界に身を置くものとして「絶対にヤラセはしない」と心に決めて仕事をしています。
しかし、1年4か月の休止期間を経て企画が復活した今。
これまで以上に楽しいお祭り男が観られることを、いちテレビファンとして応援したいと思います。
以上、名もなきテレビマンの独り言でした。
ではでは